金魚の飼育にカルキ抜き剤は必要なのかって、当たり前じゃないって答えが返ってきそうですが
カルキ抜き剤にもデメリットがあって、無意味に使っていると良くないよって事や緊急に水換えが必要だけどカルキ抜き剤が無いという時の話をしてみたいと思います。
カルキ抜き剤を使うデメリット
水道の水には塩素(カルキ)が含まれていて、金魚飼育には好ましくないですから
水換えなどの時には、半日~1日くらい水を汲み置いておいてカルキを抜きますが
あらかじめ、くみ置きの水を準備出来ないときには蛇口から出したばかりの水道水を使う場合も有ります。
そういう時にカルキ抜き剤を使う人も多いと思いますが
不必要にカルキ抜き剤を使うことにはデメリットもあるってお話です。
デメリットには大きく3つ有ります
・水道水を使うと濾過菌などが死んでしまう
・水温の調整をしないといけない
・水道のカルキの濃度は日によって違う事がある
水道水を使うと濾過菌などが死んでしまう
くみ置きの水を使わない(使えない)場合、大概は水槽などにドバドバって水道の蛇口からホースを引っ張ってきて
水道の水をそのまま水槽に注ぎ込んだりすることが多いと思いますが、この水には最初はカルキが含まれていますから、カルキ抜き剤を一緒に投入したとしても
水槽の砂利などに含まれる濾過菌や、カルキが完全にぬけていないうちに濾過器を回したときにはフィルターに付いている濾過菌がカルキ(塩素)によって除菌されてしまいます。
大した事無いと言えば大した事無いのですが、それでも水換え直後には、水質が微妙に安定しにくくなります。
かといって、バケツに一旦水をためて、カルキ抜き剤を入れて攪拌してから水槽に入れるって言うのも結構面倒?
ていうか私はそこまではしないです。
1日もすれば濾過菌もかなり回復しますからさほど気にする必要は無いかもしれませんが金魚にとっては、多少は良くない影響があるかもしれません。
水温の調整をしないといけない
くみ置きの水であれば、カルキが抜けると共に、水温も気温と同じ程度になっているはずですから水槽の水と水温の違いをあまり気にする必要は無いと思います。
一方、水道の水は気温(水槽の水の温度)と比べて夏は冷たい、冬は暖かいのが普通です。
カルキはカルキ抜き剤で除去できたとしても、水温の調節は必要になってきます。
金魚は変温動物ですし、羽毛や毛皮をまとっているわけじゃないので水温の変化がそのまま体温に影響しますが
変温動物だからといって急激に体温が変化すれば体調不良を起こします。
一般的には、金魚の水換えなどの時の温度変化は1℃以内に抑えるようにしますから
夏場なら、それこそお湯を加えるとか、冬場であれば氷を入れたりとかとかいう
何かあまりスマートでないやり方をする必要があります。
もう少し格好良く水温調整が出来る方法があればいいのですが、私にはなかなか思いつきません
水道のカルキの濃度は日によって違う事がある
水道の水に含まれる濃度は変化することがあります。
例えば大雨が降った後は水量が増え、水道場の濾過機能が間に合わなくなり、消毒のためのカルキの濃度を高くすることがあります。
これも、大勢に影響は無いとは言うものの、いつもと同じ量のカルキ抜きではカルキが全部抜けきれない場合があります(それでも時間が解決してくれるのですが)
幾分でもカルキが残っていれば、金魚に与える影響はほとんど無いにしても、濾過菌などの減少につながり、水質の安定に微妙に影響します。
カルキ抜き剤とは?金魚に害はないの
カルキ抜き剤には液体のものと固形のものがあります
固形の物の方が価格が安くて手頃なのですが、水に溶けるまでにやや時間がかかります。
液体の方は、カルキの入った水道水の中に入れて軽くかき混ぜるだけで、数秒でほとんどのカルキを除去してくれますから使い勝手は良く
前の所で述べた濾過菌の死滅という問題も最小限に抑えられるのかもしれません。
さて、このカルキ抜きの成分というのはハイポ(チオ硫酸ナトリウム)というもので、金魚にはほとんど影響はない成分だという事です。
とはいうものの、えび類などにはあまり良くない影響がある場合も有るなんて話もあるので
私が使う場合は規定量より少し少なめにしています
(飼育水にカルキが残っていても良いの?という話は後ほどお話しします)
ですが、金魚にはほとんど影響がないということから、カルキを完全に除去するために、大は小を兼ねる・・多めにカルキ抜き剤を入れる人も多いようです。
カルキ(塩素)が残らないことを優先するのか
あるいはハイポを入れ過ぎたときに出る硫黄や酸欠あるいは水が白濁するといった影響を気にするのか
いずれにしろ、よほどハイポを入れすぎたりしない限り大した影響はないのですがね(^^;)
新しい水道水に金魚を入れるとどのくらい危険なのか
新しい水道水に金魚を入れるとどうなるのか
新しい水道水に金魚を入れるとどのくらい危険なのでしょう
病理学的な正確な分析は出来ませんが
これまでの経験からすると
新しい水道水の中に直接金魚を入れても、体調が悪くなると言うことはまず無いと思います(もちろん水温などはしっかり調整しているという前提)
とはいうものの油断すると
金魚の身体の表面を傷めたり、新しい水道水がきっかけになって体調不良→伝染性の病気にかかったりするリスクはあると思います。
また、昔、引越の前の日に、ポリバケツの中に水をため、金魚たちを入れておいた時の話で
生憎、エアポンプがなかったために、心配になり水道の蛇口から1秒あたり1滴ほど水がたれるようにしておいたところ、次の日の朝には
大きな金魚たちは元気にしていたのですが
当歳の小さな金魚たちが軒並み死んでいたことがあります。
原因は「ぽたっ、ぽたっ」って垂らしておいた水道の蛇口からの水道水以外には考えられません。
この時は水道水に含まれるカルキの恐ろしさを身にしみて感じる事になりました。
カルキの量は大した事は無かったものの、一晩中連続してカルキが補給され続けたことで、小さな金魚には耐えられなかったのだと思います。
カルキ抜き剤が無い場合
オススメは出来ませんがカルキ抜き剤が無く、しかも緊急に水換えが必要な場合の措置として
・半量ぐらいであれば直接水道水を入れても、トラブルになることはまずありません
・出来るだけ曝気(ばっき)しながら水をつぎ足すようにすること
曝気:水をなるべく空気に触れるようにすること
例えばホースから勢いよくガラス面に水道水をぶつけるように放水するとか、なるべく高い位置から水を注ぎ込んで泡立てるようにします。
あるいはバケツからバケツに高い位置から水を注ぎ込むことを交互に何回か繰り返して空気と水を混ぜるようにします。
(水をなるべく空気と混ざり合い触れるようにすることで、空気中にカルキを放出させる)
・一気に水を注ぎ込むのでは無く、出来るだけインターバルを置いて新しい水を注ぎ込むようにする。
さらにその際、エアポンプなどで、なるべく強いエアーを送り込み、少しでも曝気してカルキを減らすようにする。
などの方法もあります。
もちろんこれらの方法は緊急でやむを得ない状況でのやり方だという事を前提にお考え下さい。
まとめ
金魚の飼育水を新しくするときにカルキ抜き剤を使ってカルキを抜くやり方には、多少のデメリットがあります。
出来れば、くみ置きの水を使って水換えなどをした方が金魚へのインパクトは少なくなります。
とは言え、カルキを必要以上に恐れる必要は無く、リスクを理解した上で、注意を払って水を交換する場合には、多少のカルキが残留していても、問題が起こることはまずありません
もっとも生まれたばかりの小さな金魚には、大人の金魚以上にダメージがありますから注意する必要があります。
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