金魚の繁殖において、稚魚のエサとしてミジンコは栄養豊富で水も汚さないベストなエサと言えます。
しかし最近は、ミジンコが湧いているため池なども少なくなり、安定して入手する事が難しくなっています。
そこで、自家繁殖でミジンコを養殖する方法について解説してみたいと思います。
ミジンコは金魚の繁殖に好都合
洗面器にすくったミジンコ
ミジンコは栄養豊富ですし、何と言っても生き餌ですから、金魚の稚魚が好んで補食します。
人口エサやブラインシュリンプなどと違って、ミジンコはやり過ぎても、水を腐らせることなく、それどころか、稚魚が食べ残せばミジンコは養殖池の中で自然繁殖してくれますし、
しばらく放置していれば、稚魚たちはお腹を空かすこともなく24時間エサにありつくことが出来、短期間に大きく成長させることも可能です。
そこまで大量にミジンコを用意できる環境にある人は少ないと思いますが、それでもミジンコは稚魚の成育に大切なエサとなります。
らんちゅうの稚魚
ミジンコの養殖方法
ミジンコ養殖用の容器の準備
まずはミジンコ養殖用の容器を準備します。
出来れば大型の容器の方が良いのですが、無ければ、ペットボトルのようなもので養殖している人もいますから、場所がないなどやむを得ない場合は小容器での養殖になります。
ただし、その場合はどうしても養殖できるミジンコの量は少なくなってしまいます。
容器はなるべく複数用意するようにします。
というのはミジンコの養殖は意外に簡単な反面、原因不明の環境の変化で、あっという間に全く湧かなくなってしまうことがあり、全くミジンコを入手できなくなるというリスクを減らすために、複数の容器を準備するようにしましょう。
容器としては
ペットボトルや、プラスティックの容器、バケツ、水槽、大型のたらい、いらなくなった風呂桶など
私の場合は120Lのジャンボたらいをいくつかミジンコ専用にしています。
画像の容器はちょっと緑水化しすぎでしたので、このあと半分程、水替えをしています。
水
容器に水を張る訳ですが、たまり水や雨水、水道水、何でも構いません。
ただし、極端にPHが高かったり低かったりするものは避けます。
川の水や池の水はウイルスや病原菌が混ざっていたり、農薬が混入している可能性があるので避けた方が良いでしょう。
水道の新水はカルキが入っていて、ミジンコが死んでしまいますから、カルキ抜きをした水にします。
カルキは薬剤で除去するのではなく2、3日くみおいた水にします。
種ミジンコを入手する
種ミジンコは田んぼやため池、たまり水などに生息していることもありますし、田んぼの泥を少々入れておくだけでも湧いてくることがあります。
しかし、最近はミジンコが生息している場所も少なくなり、都会などではミジンコの入手は難しいかもしれません
近所のアクアショップなどで扱っている場合もあるかもしれませんが、入手が難しい場合は、通販で種ミジンコ(生体)を購入するという方法もあります。
ミジンコの種類にはタマミジンコの他にケンミジンコ、その他にもいろいろ種類があり、通常金魚のエサとして使われるのは、栄養が豊富なタマミジンコになります。
ショップで市販されているミジンコであれば通常、タマミジンコのはずです。
エアレーションは不要
ミジンコの養殖にエアレーションは特に必要ありません。
というよりは、各種の研究などを見てみると、エアレーションによる水流が出来る事は、かえってミジンコの成育に悪影響を与え、強すぎる水流によってミジンコが死滅してしまうこともあるそうです。
よほど大量にミジンコが発生しない限り酸素不足になることも考えにくそうです。
ただし、エアレーションする事によって水質の悪化が多少は抑えられることから、ごく微量のエアーを水流が起きない程度に出しておくことは良いかもしれません。
自家繁殖したミジンコ
種ミジンコを入れる
容器や水の準備が出来たら種ミジンコを入れます。
この時注意するのは種ミジンコを入れても、環境が整わないとなかなかミジンコが増えないことです。
親ミジンコを入れても最初は環境が合わず、死んでしまうこともあります。
この時、すぐに諦めてしまわずに、しばらく様子を見ることも必要です。
死滅したように見えても、ミジンコは、休眠卵を生んでいることがあり、環境が整うことで休眠状態から復活して繁殖をはじめる場合が多くあります。
私も種ミジンコを入れてから、ミジンコがわき出すまで1ヶ月ほどかかったことがあります。
ミジンコのエサ
ミジンコのエサは何でも良いでしょう。
私がこれまで使ってきたのは、金魚の濾過器の濾材を洗った後の汚水、クロレラ、青水などがあります。
そういう怪しげな餌だと納得出来ない樋のであれば、パン酵母なども、扱いやすく効率よく繁殖に使う事ができます。
毎日ひとつまみ程度飼育容器にばらまいておくと、結構ミジンコが繁殖します。
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根こそぎ採取しない
ミジンコがわいてきたらミジンコを採取して稚魚のエサにします。
金魚用の網で軽くすくうと、ピンク色をしたミジンコが捕れます。
1度に根こそぎすくってしまうと、翌日からミジンコの数が一気に減ってしまいますから、根こそぎ取らないように、軽く容器を2,3回かき混ぜてすくう程度にします。
ミジンコは突然湧かなくなるときがある
ミジンコは、何らかの原因で突然とれなくなるときがあります。
・水質の悪化
・長雨や悪天候などで水温が低下
・その他何らかの環境変化
環境を整えていても、どうしようもないときがありますから、そういう時は、一部水を交換したりして、ミジンコの復活を待ちます。
まとめ
ミジンコは金魚の繁殖、稚魚の最適のエサになりますが、継続して繁殖させることはなかなか難しいです。
なるべく複数の飼育容器を使って、リスクを分散するのと環境変化がなるべく起こらないように大切に培養する必要があります。
タイミングと環境が整えば爆発的に増加しますから、上手く繁殖させられれば金魚の稚魚の育成にも好影響が期待できます。