らんちゅう8月の飼育管理について解説します。
8月は、7月に引き続いてまだまだ暑い日が続きます。
油断するとすぐにらんちゅうをダメにしてしまいますし、らんちゅうが1番成長する秋に向けて、コンディションを良好に保っていく必要があります。
水温の上昇に注意
らんちゅうは比較的広い範囲の水温に適応します(2°~35°程度)
とはいうものの、屋外飼育でも最近は35°を超える日も珍しくなく、直射日光の当たる池では36~37°くらいに上昇することもあります。
急激な変動でなければそれなりに高温にも耐えてくれますが、さすがに水温が35°を超えるようになると、弱い個体だと耐えきれずに★になってしまうこともあります。
また高温ですから、一匹が★になると腐敗が急激に進み水質を悪化させてしまう事になりますので注意が必要です。
水温の上昇を抑える方法
覆いを掛ける
たたきや池の上に波板などで覆いをして、直射日光をさえぎるようにします。
覆いをすることで水温の上昇を抑えるだけでなく、らんちゅうの避難場所(直接体表に日光が当たるとらんちゅうたちも暑いです)にもなります。
たたきや池全体に覆いを掛けてしまうと、かえって風が入らず蒸れてしまいますし、日光が全く当たらないのも不健康ですから
たたきや池全体の30~50%程度を覆うようにします。
暑いので日陰に集まっているらんちゅう
水深を深くする
ランチュウの肉瘤を発達させ、体系を維持するためにも水深は浅めの方が良いのですが、真夏の水温が30°を超えるような環境では水深を深くして、なるべく水温が上がりにくいようにします。
水量が多いほど水温は上がりにくくなりますし、表面の方と水底の方を比べれば多少は水底の方が水温が低くなります。
天気が良く高温になりそうな日には水打ちを
天気が良く、今日は高温になりそうだという日には、昼過ぎ辺りにたたきや池の周りに充分に水打ちを行います。
たたきのコンクリートや、周辺の温度が上がっていますから、水打ちをすることで周囲の温度を下げてやります。
たたきなどの水面に多少冷たい水道水のシャワーをかけることで、気休め程度ですが水温の上昇を防ぐことになります。
夏場のエサは控えめに
夏場はらんちゅうの新陳代謝も盛んになり、餌をたくさん食べるようになりますが、水温が30度近くなるような環境ではさすがに食欲も多少は落ちてきます。
また、極端に水温が高い場合には、青水になりにくく、水質が早く悪化する事もあります。
逆に適温ですと極端に青水化が早くなって、これもらんちゅうの飼育には適していません(気泡病の発生や夜間の酸素不足)
それは別にしても、秋にかけての飼い込みに備えて、夏場にいたずらに徒長させて、体系を崩すのを防ぐ意味もありますから、
夏場のえさやりは慎重に行うようにします。
今年生まれたランチュウの新子(2018.8.27撮影)
可能であればエアレーションを
夏場は可能であれば、屋外飼育でもエアレーションしてやることを考慮しましょう。
水温が上がるとどうしても水中に含まれる酸素の量が少なくなり、水量が少なかったり(金魚の数が多かったり)すると酸欠で、鼻揚げをしたり、最悪酸欠で窒息してしまう場合もあります。
またエアレーションすることで、多少なりとも気化熱などで水温を抑えることになります。
まとめ
夏場はらんちゅうの稚魚たちもそれなりの大きさに育ち一段落していることや、暑い毎日が続くことでついつい油断しがちですが
らんちゅうも屋外の過酷な環境下で弱っている事もありますから、気を抜くことなく大切に飼育したいものです。
特に水温が上がることで、様々な不具合が出ますから、高温の日には注意が必要です。