らんちゅうの屋外飼育は通常3月から始まります。
3月の初め、平均水温が10°Cを越える頃らんちゅうを冬眠から起こします。
3月は長い冬眠をのりきったらんちゅうたちの体力を回復させると共に、春の繁殖に向けて体調を整える時期ですから、油断しないように慎重に飼育を管理していく必要があります。
古くなった青水の中で、半冬眠中のらんちゅう
繁殖を行うなら3月の飼育管理が大切
らんちゅうの繁殖を行うなら3月の飼育管理が大切です。
(寒冷地であれば、時期はもう少し遅くなるかもしれません)
昨年寒くなった時期に、らんちゅうを寝かしつけてからは、えさやりはしていないと思います。
長い冬眠の間、絶食や寒さに耐えてきたらんちゅうたちは、言うなれば病後の衰弱した身体だとも言えます。
これを慎重に少しずつ、元気な身体に戻してやる必要があります。
また、らんちゅう飼育の醍醐味は繁殖にあります。
冬眠から覚めたらんちゅうをいかに繁殖に適した、健康な状態に持って行くかが、この1年を決めると行っても過言ではありません。
あるいは今年かららんちゅう飼育を始めて、すぐに繁殖したいという人も、早めに親魚を入手して、繁殖に向けて体調管理をしていく必要があります。
水替えは慎重に
らんちゅうたちを冬眠から起こして、エサを与えるようになれば、水替えも必要になってきます。
春先は日中と夜の寒暖差も大きく、らんちゅうの体調も不安定ですから、水替えは慎重に行う必要があります。
最初の水替えでは、元々金魚が入っていた古水を半分以上残すようにします。
新しい水も当然、前日くらいにくみおいた水を使います。
古い水と新しい水の温度差にも気を付けましょう
異なる場所に置いてあった水の場合水温がずいぶん異なる場合があります。
(水温差は0.5°C以下になるように調整します)
自分の手の感触でチェックしてもけっこう、微妙な水温差を感知出来るものです。
2回目の水替え以降、気温が上がってきても、しばらくは水替えは古水を半分くらいは残すようにしましょう。
あまり新水ばかりに替えていると、発情が早まりすぎるってのもあります。
青水を残して水替え
エサは少しずつ増やしていく
冬眠していてお腹が空いているだろうといきなり冬眠明けのらんちゅうにたくさんのエサをあげるのは禁物です。
長い間の断食で、らんちゅうの胃腸はずいぶん弱っていますし、水温もそれほど上がっている訳ではないですから、胃腸の働きも鈍っています。
特に、冬眠から起こした直後は、ほんのわずかだけ与えるようにします。
少しずつ慣らしていって、量を増やしていきます。
量を増やすといっても3月であれば、そんなにたくさんの餌は食べないはずですから、食いつき方をよく見ながら少しずつ与えるようにします。
因みに、春先に限らず水替えした直後のえさやりは控えましょう。
金魚は全身粘膜ですから、新しい水と言えども、水質が変わると浸透圧の急激な変化で体力を消耗しています。
人間も疲れた時や病気になった時には食欲が落ちます。
これは食べ物を体内に入れることで、消化のためにエネルギーを消費してしまい、体力を消耗することを防ぐ本能的な反応です。
とはいうものの金魚は動物なので、多少体調不良でも、餌を食べる方を優先してしまいがちになります。
そして食べてしまって後に体調不良になることもあります。
逆に金魚が餌を食べないときは相当体調が悪化しているということになります。
まとめ
3月は冬眠から覚めたばかりで、らんちゅうの体調も不安定です。
徐々に体力を回復させ、繁殖に繋がるよう、慎重に管理をしていきましょう。