金魚を飼育していて、追加で金魚をもらったり入手した、あるいは、水槽に余裕があって追加で購入する事もあるかと思います。
よくあることですが、金魚飼育において、新たに金魚が加わるという事は意外な落とし穴があったりしますから、注意が必要です。
金魚を追加で入手、購入した際に絶対に気をつけないといけないことについて解説します。
新しく入手、購入した金魚には病気やウイルスがいると思え
新しく金魚をもらい受けたり、購入したりするときには、金魚の状態をよく確認すると思いますが、例え入手したときに元気に泳ぎ回っていても、我が家に来た途端に、病気になったり、もともといた金魚に病気をうつしたり、寄生虫を持ち込んだりということがよくあります。
なぜそうなるかというと
環境が変わったストレスで免疫力が落ちる
以前住んでいた慣れた環境では発病していなくても、あなたの家にやってくる途中、移動で体力を消耗したり、見知らぬあなたの家の飼育環境にストレスを感じて、免疫力が低下したり、明るさ、水質、酸素の量が以前と違うことで、隠れていた病気が出てくることがあります。
病気や寄生虫を見逃した
よくチェックしたつもりでも、新しい金魚の姿に見とれて見逃してしまったり、発病直前だった場合などもあります。
イカリムシ(寄生虫)
生まれ育った所による免疫力に違いがある
金魚によって病気のウイルスなどに対する免疫力(抵抗力)そのものに違いがあったり、あるいは生まれ育った所に特有のウイルスを持っていたりします。
例えばあなたの家にもともといた金魚は、Aというウイルスには免疫があるけどBというウイルスには免疫が全く無く。新たに来た金魚には、逆にAに対する免疫は全く無いけど、Bに対する免疫があり
それぞれ、免疫のあるAとBのウイルスを体内に保菌していて、一緒にしたことで、お互いにそれぞれ免疫のないAとBのウイルスに冒されるという場合があります。
新入りが入ると金魚たちにはお互いにストレスになる
金魚は、新し金魚がやってきても攻撃するとか、人見知りするとかいう事はないですが、それでも結構大きなストレスになるということを理解しておきましょう。
新米金魚達にとっては慣れない環境
新しく来た金魚たちは、もしかしたら広い池の中で伸び伸びと育てられていたかもしれません。それがまったく見ず知らずの、もしかしたらとっても狭い水槽に押し込まれて
「狭いなあ」「水質が悪いなあ」「日当たりが悪いなあ」などと感じているかもしれません
元々の住人金魚にとってもストレス
今まで快適に過ごしてきたのに見知らぬ連中が入ってくれば、やはりストレスになります。
見知らぬ金魚たちということを別にしても、限られた空間(水間?)ですから、例えば今住んでいるアパートの部屋に別の住人が増えたということを考えれば分かるとおり、そこに新しい金魚が入ってくるということは、少なくとも、居住環境、密度、水質の悪化スピード、エサの分け前、などが確実に悪化することを意味します。
あるいはもしかしたらそれまでギリギリの飼育密度で飼育していたのに、数が増えたことで限界を一気に超えてしまうこともあります。
我が家に新しい金魚がやってきたときに注意すること
飼育密度を考える
現在金魚を飼育している水槽に、一体何匹の金魚を入れられるのか、よく考えてから新しい金魚を迎入れるようにしましょう。
常識的には10cm程度の大人の金魚で、1匹あたり水量15~20Lは確保するようにします。
60cm水槽なら3~4匹
90cm水槽なら8~10匹程度
その年に生まれた当歳の小さな金魚ならその2~3倍程度まで大丈夫ですが、大きくなればいずれにしろ数を減らす必要があります。
そのまま飼育していると、生命力の弱い個体からダメになっていくので、結局気が付いたら適正な数まで減っていたという可哀想な結果になりますから、ズルズル先延ばしにしないようにしましょう。
スイホウガン
新しく来た金魚はすぐに他の金魚と一緒にしない
まずは最初に新しく来た金魚を塩水などでトリートメントする人は多いかもしれませんが、その後も1週間程度は様子を見た方が良いです。
他の金魚のいる水槽に入れるのは、病気にかかっていないのを確認し、あなたの家の環境に慣れてからにします。
特にらんちゅうなどの高級金魚と言われる、病気に弱い種類の場合は、もう少し期間をおいて、体内にいるウイルスなども適合しているか様子を見ましょう。
近場で飼育して、時々飼育水を少しずつ入れ替えるなどします。
私の場合は昔、らんちゅうのエラ病で酷い目にあった事があるので、らんちゅうなどの場合は2、3ヶ月は一緒にしないようにしています。
金魚は全身粘膜で覆われていて、水槽などの限られた空間で一緒に生活していますから、ウイルス性の病気などはまたたく間に広がってしまいます。
オランダ獅子頭
異なる種類の金魚は一緒にしない
新しい金魚を入手しても、異なる種類の金魚は一緒にしないようにしましょう。生命力の異なる金魚を一種にすると、様々な不具合が出て弱い金魚からダメになっていきます。
水質の悪化、病気、エサの取り合いなどのほか、泳ぎの下手な種類の金魚は強いストレスがかかる事になります。
金魚の種類としては強い種類から順番に
和金系統>オランダ獅子頭系統>琉金系統>らんちゅう系統
という風になります。
土佐金
といっても土佐金などのように琉金系統でも泳ぎが下手で、らんちゅうにひらひらする尾っぽをつつかれて追いかけ回されるなんて事もあるので、混泳が出来るかどうかはしっかり調べてからにしましょう。
金魚飼育の初心者はどうしても色んな種類の金魚を過密に入れて群泳する様子を鑑賞したいという気持ちになりがちですが、それは金魚の虐待になるという認識を持つようにしましょう。
まとめ
金魚の飼育を始めた頃は、ついつい数を増やしたり、異なる種類の金魚を育ててみたいという誘惑が湧きがちです。
ところが、一定の水槽の中で、飼育できる数は限られていますし、数が増えるという事は確実に金魚たちの居住環境が悪化することに直結します。
新たに、新しい金魚を迎え入れる場合は、よほど慎重に吟味して、環境を整え、準備してから迎え入れるようにしましょう。