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らんちゅうの繁殖(ふ化後初期の飼育方法と選別)

繁殖

 

今回はらんちゅうの繁殖シリーズ

ふ化後初期におけるらんちゅう稚魚の飼育方法と選別について解説します。

 

 

 

生まれたばかりの稚魚の飼育

生まれたばかりの稚魚
生まれたばかりの稚魚

まだ上手く泳げず壁や産卵巣にしがみついています。

 

ふ化直後のらんちゅう(金魚)は、本当に針の先のような形をしていて毛仔と呼ばれるのも納得がいきます。

生まれたばかりの時には「さいのう」という栄養素が詰まった袋を腹に抱えて生まれてきますから、ふ化後1~2日はエサをやる必要がありません。

そこで私の場合は、らんちゅうの稚魚がふ化した時点でおもむろにブラインシュリンプの準備を始めます。

 

ブラインシュリンプ
ブラインシュリンプ(パスタ入れを使った自作のふ化装置)

 

ブラインシュリンプは卵を海水につけてからふ化するまでに約24時間かかるので、

らんちゅうの子供達がふ化したタイミングで準備を始めるとちょうど初めてエサが必要な時期にブラインシュリンプのふ化が始まります。

金魚の繁殖、稚魚のエサとしてのブラインシュリンプの湧かせ方

生まれたばかりの稚魚のエサとしてはブラインシュリンプの他に、固くゆでた卵の黄身、ミジンコ、人口エサなどがあります。

 

卵の黄身は、飼育水槽の水質を悪化させやすく、私はあまり使ったことはありませんが、準備が整わない前にふ化してしまった場合などのやむを得ない場合は、緊急的に使う事もあるかと思います。

 

人口エサでも良いのですが、生まれたばかりの稚魚は、生き餌でないと、なかなかエサだと認識してくれず、食べ残しが出たりして、うまく行かないことがあります。

 

ミジンコ
ミジンコ

 

その点、ミジンコはブラインシュリンプと違って、飼育水の中でも死滅することはなく、逆に食べ残せば、子供を産んで増えてくれるので、絶好のエサとも言えるのですが

生まれたばかりの金魚の稚魚は5~6㎜くらいの髪の毛先ぐらいの大きさしかなく、大人のミジンコだと口に入らず、生育にムラが出来たりすることがあります。

 

また最近の都市化で、ミジンコを安定的かつ充分に確保することが難しいのが現実です。

もちろん充分なミジンコを安定的に確保出来るのであれば、ミジンコは稚魚の良いエサとなります。

注:安定的と言ったのは、最近の環境ではミジンコを自家繁殖させている人も多いと思うのですが、ミジンコは原因不明のまま突然繁殖しなくなったり、繁殖量が増えたり減ったりすることがあります。

ミジンコの繁殖方法やミジンコのエサ、管理の方法(金魚の繁殖)

 

らんちゅうの稚魚
ふ化後4日目のらんちゅうの稚魚6~7mm程度に成長

今年は産卵後、気温が下がったために付加までに日数が経ち、ふ化するまでに青水化してしまいました。


ふ化後2、3週間後、稚魚の選別

飼育環境や、安定的に生き餌が確保出来るかなどにもよってきますが

ふ化後2、3週間経つと稚魚も10mm程度に成長し、人口エサでも充分飼育できるようになってきます。

 

らんちゅうの稚魚
ふ化後3週間経ったらんちゅうの稚魚

 

ある程度尾びれもそれらしい形になってきて、稚魚の選別が始まります。

ベテランになれば、結構大胆に選別できるのでしょうが、慣れないとなかなか選別も難しいと思います。

そうはいっても、ふ化した稚魚が可哀想だと、いつまでも選別しないでそのまま飼育していると、密度が混んできて、成長速度が遅くなってしまいます。

 

成長速度が遅くなるといいましたが、場合によってはまったく成長が止まってしまったり、環境が悪化して、病気が発生して全滅という可能性も出てきます。

 

可哀想ですが、個人的に飼育しているのであれば最終的に飼育できるのは生まれてきた数百匹~数千匹のうちせいぜい数匹から数十匹程度なのですから、思い切って淘汰していくことが結局、らんちゅうたちのためになります。

 

飼育環境が十分で無い場合は思い切って、選別なしで半分捨ててしまうという選択肢もあります。

繰り返しになりますが、いたずらに可哀想だと選別をためらっていると、かえって劣悪な環境下で水質の悪化や病気の発生で稚魚たちを★にしてしまうことになります。

 

らんちゅうの稚魚
ふ化後3週間経ったらんちゅうの稚魚

 

稚魚の選別のポイント

まだ成長途上の稚魚たちを選別するのは難しいと思いますが、初期の選別のポイントとしては

極端に成長が悪い

毎日何回も餌をやっているのに、まったく成長しておらずガリガリの姿の稚魚が時々います。

結局何らかの口の奇形や病気を持っている可能性もあり、そのまま飼育していてもほとんど成長しません

それは別にしても、他の稚魚に比べて極端に成長の遅い稚魚は何らかの問題を抱えているはずですからハネてしまうようにします。

極端に成長の遅いらんちゅうの稚魚
極端に成長の遅いらんちゅうの稚魚

 

らんちゅうの稚魚
4週目の稚魚

泳ぎがおかしい

よく見ていると、泳ぎ方のおかしい稚魚がいるはずです。

真っ直ぐ進めないもの、泳ぐと横になってしまうもの、同じ所をぐるぐる回っている、腰をくねくねさせながら泳いでいるなど、泳ぎのおかしな物は、身体に奇形があったり、骨格や筋肉の発達がいびつだということですから早めにハネるようにします。

稚魚のうちに、少しでも奇形や、身体の発達が悪い物は成長すればするほど益々、奇形や欠点が目立ってきて、治るということはありませんから、早めに淘汰します。

腰をくねくねしながら泳ぐのは背骨などの骨格が弱い

尾びれがすぼまっているものは、大きくなると益々欠点が目立ってくる。

 

尾びれの形がおかしい

10mm程度の稚魚のうちは、他の部分はなかなか分かりにくいと思いますが尾びれは比較的ハッキリと分かってくると思います

しっかり三尾になっていないもの、すぼんだような形になっている物、和金のようなフナ尾になっているもの、左右対称でないもの

などを淘汰します。

 

フナ尾に近いらんちゅうの稚魚

 

大きくなるに従って選別を繰り返す

稚魚が小さいうちはなかなか選別も難しいと思いますが、成長する度に選別を繰り返して良魚を残すようにします。

 

稚魚が小さいうちはなかなか選別が出来ず、もしかしてこの仔も、とても綺麗ならんちゅうに成長するかも、などと考えがちですが

最終的に残るのは100匹に1匹程度ですから、発想を変えて、形の良いものだけを残す。

数が減れば減るほど、飼育環境は良くなり、スムーズに成長させられるという発想を持つことも大切です。

 

らんちゅう
らんちゅう(親魚)品評会上位入賞魚

 

まとめ

ふ化した稚魚は、その後どんどん成長していきます。

選別して数を減らさないと、稚魚たちはスムーズに成長できずに環境が悪化して成長が止まってしまうばかりか

水質の悪化や病気でかえって★にしたりすることになります。

早めに選別して、良魚だけを残すことでさらに飼育環境もよくなり、稚魚たちの成長も促進されることになります。

 

らんちゅうの繁殖(ふ化から最初のえさやりまで)

らんちゅうの繁殖(ふ化後1週間~1ヶ月)

 

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